現実とは?夢とは?正体(哲学&科学&スピリチュアル)
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昔の中国の思想家、荘子はこう語りました。
ポイント
「ある日、私は蝶となって夢を見た。
花から花へ舞い、風に乗り、何の不安もなくただ自由に生きていた。
けれど、目が覚めたとき、私は人間の荘子に戻っていた。
では私は、“荘子が蝶の夢を見ていた”のか?
それとも、今、“蝶が荘子の夢を見ている”のか?」
これは、ただの幻想的な物語ではありません。
【現実の正体】を、深く知ってしまった『悟り人』からの、モーニングコールでもあります。
「早く、目を覚まして」
今この瞬間、あなたが「これが現実だ」と信じているこの世界、本当に“現実”だと証明できるでしょうか?
こんにちは。名無き仙人です。
名無き仙人【プロフィール】
【幸せな生き方】ブログ2010年から続いています。感謝。
「ちょっと待て。そもそも、現実とは、何か?」
この問いに、意識の照準が向かっている貴方は・・
標準的なホモサピエンスの意識状態を、超え始めています。
貴方のなかで、この世界を俯瞰する『メタ認知』が、稼働しているんです。
・【メタ認知とは?】高い人&低い人の特徴『トレーニング方法』自動思考に気づく
第1章:それ、夢か現実か分かる?脳が騙される瞬間
夢の中にも、現実と同じように「自分」がいて、「他人」がいて、「物語」が展開していきます。
その中で、私たちは感情を抱き、行動し、記憶を持ちます。
実際、夢の中にいる時は、私たちは「これは夢だ」と気づかず、その世界を本気で生きています。
体験としての“リアリティ”という観点では、夢も現実も、本質的には大差がありません。
第2章:現実には“法則”がある?夢との決定的な違い
では、どこが違うのか。
そのひとつは、「因果律(原因と結果の法則)」です。
現実世界では、石を投げれば音がする。
種を蒔けば、芽が出る。
そこには、「原因があって結果がある」という連続的な時間軸があります。
しかし夢の中では、突然場所が変わったり、人が現れたり、空を飛べたりします。
そこに“原因”がなくても“結果”が起きる。
つまり、夢は、非因果的で、断片的な世界。
そして、現実は、因果的で連続的な世界。
この「時間の一貫性」が、私たちが「現実は信頼できる」と錯覚する一因です。
第3章:夢と現実を分ける最大のカギ、それは“観察者”
もうひとつの違いが、「観察者=自分が何をしているかを意識している存在」の有無です。
心理学で言えば「メタ認知が、あるか?ないか?」です。
夢の中では、私たちは夢を見ていることに気づかず、ただ状況に流されていきます。
メタ認知を使えないため、夢の世界に、深く没入する他、ありません。
しかし現実では、「今、自分は現実を生きている」と、自分自身のことを、この世界を、俯瞰して見ることができます。
つまり、自分を外から観察する“メタ意識”がある。
この“観察者の存在(メタ認知の有無)”が、夢と現実の最大の違いを生んでいます。
第4章:あの人、本当に“存在”してるの?
ここで、夢と現実における深い共通点があります。
それは、「他人の存在」です。
夢の中でも、現実でも、他人は存在し、反応し、会話します。
けれど、「夢の中に現れる他人は、自分の脳が生み出したものだ」と理解できます。
では現実の他人はどうでしょうか?
実は、現実の他人も「意識が本当に存在しているか」は、私たちには確認できません。
反応や言動を見て「たぶん意識があるだろう」と仮定しているだけ。
現実世界においても、他人の実在性を、直接、確認する術がないんです。
このことが、唯我論に繋がっている。
つまり、“他人というプレイヤー”は、夢と現実で、同じ構造を持っているとも言えるのかもしれません。
・『独我論』自分しか存在しない?【科学&哲学の答え】ソリプシズム
第5章:夢の中で“これは夢だ”と気づく瞬間、何が起きるのか
夢の中でも「これは夢だ」と気づくことがあります。
これを「明晰夢(ルシッドドリーム)」と言います。
まあ、ようは、睡眠中の夢の中なのに、メタ認知が使える状態になることを、明晰夢と言うわけです。
この状態では、夢の中でも自分を観察できるようになり、自分の意志で、行動を変えることが可能になります。
つまり、“観察者”であるメタ認知が起動した瞬間、夢は“現実に近づく”のです。
このことからも、「現実とは、「観察されている」という認識に支えられている」ことが見えてきます。
第6章:なぜ私たちは“現実だけ”を重視するのか?
それでは、なぜ、私たちは現実ばかりを重視し、夢を軽視するのでしょうか?
それには主に、以下の2つの“構造的な理由”があります。
1.「触れている時間が長い」
私たちは目覚めている時間が長く、現実世界に接触している時間が圧倒的に長い。
だから「こちらが本物だ」と思いやすい構造にあります。
2.「辻褄が合って続いていく」
現実世界では、昨日の続きとして今日があり、明日がやってくる。
一貫性のある物語が続いているように見えることで、「信頼できる世界」と認識されるわけですね。
けれど、だからといって「現実が絶対的に価値があり、夢は無価値」と言えるでしょうか?
実際には、どちらも“主観的体験”であり、意識の中にしか存在しないのかもしれません。
現実世界に存在しているのは・・そう、物理学で判明済のとおり、素粒子だけです。
素粒子が移り変わっているにすぎない世界が、現実世界です。
第7章:そして、ここからが本題 ― 他者メタ認知という階層構造の気づき
ここで、現実と夢の違い以上に、重要なポイントがあります。
それは、「他人達も、「自分と同じように現実を観察している」と思い込んでしまう」という錯覚です。
多くの人は、「自分だったら、こう思うから、きっと他人達も・・」と考え、それを基準に他人の認知状態を推測します。
これが自己メタ認知のみがある状態です。
しかし、ここで大きな落とし穴があります。
それは、他人達が、そもそも「現実を観察する意識(観察者)」・・メタ認知を、持っていない可能性です。
現実とは何か?
なぜ、この出来事が起きるのか?
自分とは誰か?
そうした問いを一度も持ったことがなく、ただ日々の感情や刺激に反応しながら生きている人は・・
観察者不在の、メタ認知がない“没入状態”で、現実を生きているとも言えます。
例えば、駅で、人にぶつかっても謝らない人。
あの人は、今“自分がどう見えているか”を観察できていない状態かもしれません。
超没入状態で、生きている人の体感、想像できますか?
難しい場合は、子供の頃を思い出してみてください。
そう、その超没入した感覚で、生きている大人も、いるかもしれないわけですね。
これは、構造的には夢と同じです。
**「観察されていない現実」=「気づかれていない夢」**なのです。
スピリチュアルで言えば、『覚醒前の、まだ、眠っている人達』です。
こう、言ってみてください。
「え?ちょっと待って。まるで、夢を見ているように、超没入状態で、現実世界を生きている人達も、いるの?」
その『他者メタ認知』の視点が手に入ると・・
「世の中には、なぜ「現実とは何か?」などに、興味を持たずに生きる人達がいるのか?」
その全体構造が見えてきます。
そう、実は・・
「現実とは何か?」に、興味を持つかどうか?は、哲学的な傾向の問題だけではなく・・
メタ認知の能力差が、大きく関わっているんです。
「人々は、自分と同じように、高度なメタ認知を使いながら、生きているわけでは、ないのかもしれない・・」
他人の脳内の『認知状態』を、認知できるようになる力、それが、【他者メタ認知】の力・・
第8章:他者メタ認知とは何か?
本当の意味での「他者メタ認知」とは、他人の“頭の中の構造”を想像し・・
「この人は、メタ認知を使って生きているのか?いないのか?」
「どの階層の意識で現実を捉えているのか?」を読み取る力です。
そして、その力がある人は・・
自分と他人との間に、ただの“性格の違い”ではない、“構造的な認知階層の違い”があることに気づきます。
・「わからない」を卒業♪相手の脳内が読める【他者メタ認知講座】具体的な内容
第9章:夢か現実か、ではなく“どの構造で見るか”
夢と現実。
このふたつを分けるものは、物理的な違いではありません。
それは、「観察者の有無」、そして「因果の構造」、「意味づけの深さ」・・
そして「他者の認知構造への気づき」によって定義されるものです。
現実だけが絶対的に価値があるわけではなく、夢だけが幻でも、ないのかもしれません。
あなたの“意識の照準”がどこに向いているか。
それこそが、この世界の“リアルさ”を決めているのかもしれませんね。
そして――
他者の頭の中に“観察者がいるか”に気づけたとき・・
この世界がいかに多層的で、複雑で、そして美しいかに気づくことになりそうです。
世界の“本当の構造”は、そこから、見え始めることになる・・
荘子は、夢と現実を、自由に行き来し、両方の世界を、遊んでいたのかもしれません。
100年続く長い夢の中で、貴方と、こうして、遊べたことを嬉しく思います。
また、お会いしましょう。
最後まで、ありがとうございました。感謝しています。
<名無き仙人>



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