『利己的な遺伝子』要約&解説|なぜ人は苦しむのか?「人生=苦」の理由と本能の乗り越え方
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「生きることは、苦しむことである」
ニーチェの有名な言葉ですが、実は・・
2500年も前に、既に仏教では「人生は苦である」と説いていました。
あなたは、どうでしょうか?

日々、生きていて、ストレスがあったり、苦悩や悩み、葛藤がありませんか?
で、実はそれ、全部、遺伝子のせいだった・・
世界的ベストセラー『利己的な遺伝子』では、人間は「遺伝子が自分を増やすために作った生存機械」だと考えます。
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つまり、あなたは、遺伝子の乗り物にすぎない。
そして、私達の人生で起きる、怒りも、嫉妬も、恋愛も、承認欲求も、親子愛でさえも──
遺伝子が生き残るための戦略だった・・。
そう、私達の、喜怒哀楽の人生ドラマは、遺伝子が作り出していたんです。
「え?ちょっと待って。全ての根本原因は、遺伝子だったわけ?」
はい、その視点から考察する本が、こちらの『利己的な遺伝子』です。

こんにちは。名無き仙人です。
名無き仙人【プロフィール】
【幸せな生き方】ブログ2010年から続いています。感謝。
今回は『利己的な遺伝子』をもとに、人間が苦しむ本当の理由、そして・・
後半では、遺伝子に振り回されず、幸せに生きるヒントを見ていきましょう。
衝撃的な内容ですが、だからこそ、世界の見え方・人生の見え方がガラっと変わる・・
そんな内容になっています。是非、お楽しみください。
1.要約|利己的な遺伝子
まずは、簡潔に、内容を見ていきましょう。
<この本の最大の発見>
ドーキンスはこう言っています。
生物の主人公は、人間ではない。主人公は「遺伝子」である。
つまり、人間は、遺伝子が自分をコピーするために作った「乗り物」という見方です。
①なぜ人は存在するのか?
普通は「人間が子供を作る」と考えますよね。
しかしドーキンスは逆。
「遺伝子が、自分をコピーするために人間を利用している」という発想です。
つまり人間中心ではなく遺伝子中心。
この視点が本全体を貫きます。
②複製子(レプリケーター)
生命の始まり。それは、最初は単純な分子でした。
その中に偶然、自分をコピーできる分子が生まれた。
このコピー能力を持つものを複製子と呼びます。そして・・
【コピーが速いもの、壊れにくいもの、増えやすいもの】だけが残った。
これが進化の始まりです。
③遺伝子はほぼ不死
ここが非常に面白い。
私達は80年くらいで死にますよね。
でも、あなたの遺伝子は【親、祖父母、曾祖父母(そうそふぼ)・・】
数億年前まで連続しています。
つまり、個体は、亡くなる。
しかし、遺伝子は何千万年も生き続けている。
だから遺伝子から見ると、人間の一生は「一時的な乗り物」に過ぎない!とも言えるわけですね。
④生存機械
ここが一番重要です。
人間は、遺伝子が生き残るための、乗り物。
もちろん、遺伝子には意思はありません。
ですが、自然淘汰の結果、生き残りやすい行動を促す仕組みが残りました。
例えば、「空腹になったから食べる」という遺伝子が残る。
だから、空腹を感じる脳が作られた。
つまり、感情や欲望も、遺伝子が作ったプログラムという考えです。
⑤本能の正体

人間含む生物は、戦いますが・・なぜ戦うのか?
面白いのは、遺伝子は「とにかく戦え」とは命令しません。
勝てない戦いは、逃げた方が、遺伝子は残ります。
だから人間は、危険に直面すると『逃げるか?戦うか?』闘争逃走本能が発動します。
つまり、攻撃も、逃走も、全部、生存確率を最大化する戦略なわけですね。
誰にとって?そう、遺伝子にとって。
他にも例えば、嫉妬。
恋人を他人に奪われそうになると、強い嫉妬を感じますよね。
この本では、そうした嫉妬も、大切なパートナーや子孫を守り、自分の遺伝子を残す確率を高めるために進化した本能として考えます。
つまり、嫉妬もまた、遺伝子が生き残るための戦略だった・・。
他にも、例えば、比較。
人は、つい他人と自分を比べてしまいますよね。
「あの人の方が、お金がある」「あの人の方が、モテる」「あの人の方が、評価されている」
この本の視点で考えると、こうした比較も、自分の立ち位置を把握し、生き残る確率を高めるために進化した本能の一つとして理解できます。
つまり、他人と比較して落ち込んだり、優越感を感じたりすることさえも、遺伝子が生き残るための戦略の一つだったかもしれないのです。
他にも、例えば、「勝ち組と思われたい」「認められたい」など承認欲求。
この本の視点で考えると、承認欲求も、自分の社会的な立場を高め、生き残りや繁殖に有利な状況を得るために進化した本能として理解できます。
そう、「認められたい」という気持ちさえも、遺伝子が生き残るための戦略だったかもしれないのです。

つまり・・「生きることは、苦しむことである」
私達は、生きていて、お腹が減るし、嫉妬したり、他人と比較したり、認められたくて、葛藤したり悩んだり・・
そんな辛い時でも、でも、生き続けようとする。
実はそれ、私の意志のようでいて、全て、遺伝子のせいだった・・
なぜなら、私は、『遺伝子の(一時的な)乗り物』にすぎないから。
このように、遺伝子の視点から考えてみると・・
『遺伝子の(一時的な)乗り物』である人間が、感情的に苦しもうとも、そんなことよりも・・
苦しみ葛藤することで、遺伝子がより高確率で生き残るなら、その方がいい。
だから、遺伝子の乗り物である私達は、こんなふうに、感じる時があるのかもしれません。
「はぁ。生きるって、大変だな。苦難や苦しみの連続だ」
それ、全て遺伝子のせいだった・・のかもしれません。
⑥血縁選択
ここは有名です。
なぜ、親は命をかけて子供を守るのか?
その答えは、子供には、自分の遺伝子が半分入っているからです。
兄弟は50%、孫は25%、甥(おい)は12.5%。
だから、血縁が近いほど、守るように進化しやすい。
つまり、利他的行動も、遺伝子目線では、利己的なのです。
⑦男女の恋愛
なぜ、男女では恋愛の傾向が違うのでしょうか?
ドーキンスは、繁殖という視点から考えます。
男性は、一度に多くの子孫を残せる可能性があります。
一方、女性は妊娠・出産・子育てに大きな時間とエネルギーを使います。
そのため、男女では、パートナー選びや恋愛の戦略に違いが生まれやすかったと考えます。
こうした違いも、長い進化の中で、遺伝子が子孫を残す確率を高めるために形づくられてきた可能性がある。
⑧利他的な行動
さて、なぜ人は協力したり、親切にしたりするのでしょうか?
「利己的な遺伝子」というタイトルだけ見ると、人は自己中になるように進化したと思ってしまいますよね。
でも、実は・・人間は群れで生きる生き物。
助け合った方が、生き残る確率が高くなります。
だから、「今日は私が助ける。次はあなたが助けて。」
そんな協力関係を築ける個体の方が、生き延びやすかったと考えます。
一方で、協力したのに、相手は裏切る場合、自分だけ損をしてしまいますよね。
だから人間には・・
「信頼する」「裏切りを許さない」「恩を返す」
そういう性質も進化してきた可能性があります。
返報性の原理ですね。
つまり、親切や協力、利他的な行動でさえも、長い目で見れば、遺伝子が生き残る確率を高める戦略だったのかもしれない。
そう、このように見ていくと・・
私達の人生って、「遺伝子が生き残るためのもの」そんなふうにも、見えてきますよね。
さて、ここからが本題。
2.遺伝子に振り回されずに生きるコツ
では、ここで、1つ整理しておきましょう。
「遺伝子」と「本能」は、同じではありません。
ポイント
遺伝子は、いわば設計図。
そして、その設計図をもとに脳に組み込まれた行動プログラムが、本能です。
例えば、遺伝子という設計図から、「空腹を感じる」「危険から逃げる」「恋をする」「嫉妬する」といった本能プログラムが作られます。
そして、本能が感情を生み、その感情が私たちを行動へと動かしている。
つまり、遺伝子が設計図、本能がプログラム、感情が通知、そして行動が結果。
これが、『利己的な遺伝子』の世界観なわけですが・・

例えば、嫉妬。
自分が狙っている好きな異性の隣で、ライバルの同性が、楽しそうにお話をしている。
この時「あいつ・・くそ。ムカつく」嫉妬心がわいてきますよね。
この時、本能のままに生きる場合は、『邪魔をする』とか『ライバルの同性に嫌がらせをする』などをするかもしれませんし・・
ひたすら、我慢して、葛藤したり、悩んだり、ストレスを溜めたり「自分は振られたんだ」と落ち込んだりするかもしれません。
そう、こういった本能が、生きる苦しみを作り出しているわけですよね。
つまり、苦しみの正体は、本能であり・・
というのも、本能がなければ、嫉妬心もわかないから、苦しまないですみますよね。
そう、苦しみの正体は、本能であり・・
本能を作り出している大元は、遺伝子なわけですが・・だからこそ。

自分のなかで起きる本能反応を、メタ認知で観察することで、本能との距離を取ることができると、苦しみが減るんですね。
心理学『メタ認知』とは、思考や感情を、観察・モニタリングする脳機能。
だから、メタ認知を使って、自分の中でわきあがっている感情や思考を観察すると・・
「あ、今、私、嫉妬しているな」
「これは、生殖確率を高めようとする本能反応だな」
そんなふうに、冷静に、自分自身を客観視できます。
すると、こんなふうになっていきますよね。
「まあ、自分が今、イライラする気持ちは、わかる。だってこれ、本能だもん」
「でもまあ、よく考えて。ただ、会話しているだけだし。嫉妬する程でもないよ」
「それに、異性なんて、星の数ほどいるんだから。そんなに1人に執着しなくても大丈夫」
そう、冷静に、客観的に、理性的に、考え直すことができる。
すると、嫉妬心による苦しみも、緩和されますよね。
そう、このように、自分の本能反応を、観察できるようになると・・
遺伝子が作り出した本能プログラムに、振り回される機会が減っていきます。
「いや、とは言え、それが難しいんだけど」
そうですよね。というのも、これは、高度なメタ認知だからです。
実は、メタ認知には、レベルがあって・・
人間の【メタ認知の進化段階】は、ざっくり、次の五つの層で進化していきます。
メタ認知5階層
第1層、メタ認知なし。
第2層、感情メタ認知。感情には気づける。
第3層、思い込みメタ認知。思い込みにも気づける。
第4層、本能的な自我のメタ認知。
第5層、メタメタ認知。

で、まあ、メタ認知って、最初の段階は、自分の感情に気づくこと!なんですよね。
「あ、私は今、イライラしているな」
「あ、私は今、不安を感じているな」
そんなふうに、自分の感情に、気づく時って、ありますよね。
それが、メタ認知階層2『感情メタ認知』です。

では、あなたは、自分の思い込みに、気づいたことがありますか?
「あれ?これ、私の思い込みかも」
思い込みすら、客観視できるのが、メタ認知階層3『思い込みメタ認知』です。
私達の社会では、思い込みすら、客観視できる人は、高度なメタ認知の持ち主になりますが・・

思い込みの、さらに、その奥、本能・自我すら、観察できる人。
それが、メタ認知階層4『本能的な自我メタ認知』の段階の人です。
「イライラの本能衝動を、私は、見ている」
「このイライラは嫉妬心であり、生殖確率を高めるための本能から、生じているな」
自分という個体のなかで起きている、本能反応を、高度に観察しながら生きている人。
高度なメタ認知能力をもっている人ですが、この段階になると・・
本能プログラムが作り出す苦悩や葛藤から、かなりの部分、抜け出し始めるんですよね。
そう、実は、遺伝子に、本能に、振り回されずに生きられる段階って・・
メタ認知階層4『本能的な自我メタ認知』の段階から!なんですよね。
よって、実は、この本【利己的な遺伝子】って、階層4の領域に関する話であり・・
だからこそ、一般ウケは、そんなによくない。
メタ認知階層3や、4の人に、響きやすい内容になっています。
さて、この本能の観察については「本能の衝動を、私は、見ている」
【私】という主体感覚の位置がズレる話である、コチラの動画が詳しいです。
・記事版→【一部公開】「思い込みメタ認知vs自我メタ認知」違いとは?「私」の位置
3.まとめ
では、最後に、今回の内容をまとめてみましょう。
『利己的な遺伝子』が私たちに教えてくれること。
それは──「苦しみには、ちゃんと理由がある」ということです。
怒り。嫉妬。不安。承認欲求。恋愛の苦しみ。他人との比較。
これらは、「自分が弱いから」でも、「性格が悪いから」でもありません。
何百万年という進化の中で、遺伝子が生き残るために作り上げてきた、本能プログラムが動いているだけ。
そう考えると、少しだけ自分を責める気持ちが減りませんか?
「ああ、私だけじゃないんだ」
「人間なら、そう感じて当然なんだ」
そう思えるだけでも、心は少し軽くなります。
ただし、大切なのは、ここから。
本能があることと、本能に支配されることは、別です。
怒りが湧く。嫉妬する。不安になる。
それ自体は自然な反応。
でも、その反応をそのまま行動に移すかどうかは、別の話です。
だからこそ重要なのが、メタ認知。
「今、本能が反応しているな」
そう一歩引いて観察できた瞬間、私たちは、本能との脱同一化が起きて、本能の奴隷ではなくなり始めます。
ラスト

「人生は苦である」
2500年前、仏教はそう説きました。
そして『利己的な遺伝子』は、その苦しみを、進化生物学という視点から説明しました。
立場は違っても、どちらも共通しているのは「人間は、そのままでは苦しみやすい存在である」ということです。
しかし同時に、人間にはもう一つ、特別な能力があります。
それが、自分自身を観察する力。メタ認知です。
本能を持つことは変えられません。
でも、本能との付き合い方は変えられます。
怒りに振り回される人生から、怒りを観察できる人生へ。
嫉妬に苦しむ人生から、嫉妬を理解できる人生へ。
そこから、人は少しずつ自由になっていきます。
もし今日の話で、「なるほど。自分の苦しみには、こんな見方もあるのか」
そう感じていただけたなら、とても嬉しく思います。
今回ご紹介した『利己的な遺伝子』は、一度読むと、人間という存在の見え方が大きく変わる一冊です。
興味がある方は、ぜひ手に取ってみてください。
また、実は、こちらの動画のとおり、心理学の巨匠(きょしょう)アルフレッド・アドラーも、利己的な遺伝子と、本質的には、似たような話を本で書いているんですよね。
それが、こちらの本【人間の本性 ─ 人間社会を自分が生き延びるための本能】であり・・
以下の記事で解説しています。
・【嫌われる勇気】実践できない理由と解決策!アドラー本人が明かす『人間の本性』が鍵
また、メタ認知や、メタ認知5階層など、関連記事が以下となります。
・メタ認知とは?【自己メタ認知vs他者メタ認知】高い人/低い人の特徴
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最後まで、ありがとうございました。感謝しています。
<名無き仙人>




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