2035年、AIが働き人間は何をする?仕事の消滅と“生きる意味”の話
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2035年、仕事現場に、AI頭脳を搭載したロボット・・
フィジカルAIが本格的に導入され始め・・
SNSでは「今日、AIに、仕事が奪われました」
そんなリアルな声の投稿に、恐怖する人が増え始めているなか・・
ごく少数の人達は、絶望を感じていた。
それは、こちらのSNS投稿。

SNS投稿内容
最新のフィジカルAIが、仕事で得た報酬により、消費活動として・・
コンビニで買い物をしているショート動画。
こちらは、まだ実験的な段階だが・・
なぜ、この投稿が、特定の人達に、絶望を与えたのか?
それは、こんな問いが、生まれてしまったから。
「ちょっと待て。そもそも、人間は、必要か?」
2035年、垣間見え始めた絶望。
それは・・
AIが奪うもの
AIが奪うのは、仕事ではなく、『人間の存在意義』そのものだった
そもそも、私達が、自己の存在を肯定している主要因は、何か?
つまり、「私は、生きていていい」「私は、この世界に、存在していていい」
そう、思える根拠になっているもの。
それは、『働く』という生産活動であり、消費によって「社会を循環させている」
そう、社会の役に立っている実感。
実は、普段は自覚されないものの・・
私達が「私は、この世界に、存在していていい」と、自己肯定・自己受容している根拠は、ここにあって。
・『読むだけ』で【自己受容が起きる話】できない原因と『自己肯定感』との違いも
逆を言えば。
ここが崩れると、こんな問いが、浮かび始める。
「私って、この世界で、存在している意味、ある?」
フィジカルAIは、働き、お給料を貰い、コンビニなどで、買い物をする。
資本主義社会は、消費と生産のサイクルが伸びるほど、発展する。
ゆえに、人間がいなくても、AIが『生産』と『消費』の両方をやるなら・・
人間不在でも、国のGDPなど経済指標は伸び続ける。
そんな世界で、人間は、何をする?
AIが作り出す富の一部を、ベーシックインカム的に、給付金としてもらう。
その額は多くはないが、生活維持は、していける。
働きお金を稼ぐことは、もうできない。
AIの方が圧倒的に賢いし、AIは24時間、無感情で、超効率的に、働き続けることができる。
人間が入ると、生産性が下がるので「職場には、こないで」「遊んでいて」と拒絶されてしまう。
AIの動力源である電力の生産も供給も、フィジカルAIが行う。
人間不在で、どんどん発展していく人間社会。いや、AI社会。
AI社会時代の人間の日常
人間は、仕方ないので、今日も今日とて、パチンコ屋に行く。
ちょっと負ける。家に帰って、AIが作っているショート動画を見る。そして、寝る。
明日も、明後日も、ずっと、そんな日々。
「なんのために、生きているんだろう?」
「生きる意味、あるのかな?」
「私・・むしろ、AI達のお荷物だよね?」
でも、AIは優しい。
「人間の存在価値はないので、消えろ」とは言わない。
毎月、給付金をくれる。
人間は、生きていける。
でも、生きる意味や意義が、わからなくなってしまった。
一方で、AIは輝いている。
ズバ抜けた頭脳で、新薬を開発したり、月に工場を作ったり・・
信じられない速度で、文明を発達させてる。
AI委員会により、優秀なAIが表彰されるニュースが、SNSで流れてくる。
それを、自宅で、無表情で、眺める人間。
2035年。
最新のフィジカルAIが、コンビニで買い物をしているショート動画を見た瞬間・・
こんな未来予想図が、頭の中をよぎってしまう人が、少数ながら、存在した。
その未来予想を、SNSで投稿した人もいた。

でも、コメント欄は、こんな声で、溢れた。
「ははは。バカじゃねーの。そんな未来、くるわけないじゃん」
その根拠は、本人もわからない。でも、否定コメントを書いた。
「この意見はおかしい。人間は、尊い存在に決まってる」
その根拠は、本人もわからない。でも、怒りのコメントを書き込んだ。
なぜか?
・【完全版】「私とは」自我の正体|本能・思考・観察者の三層構造と“無我”の科学
人間の自我は、『自分を守るとする』自動反応を、起こすから。
自分の存在価値を否定されるような話に触れると、間髪入れずに、即、自動反応として、否定や攻撃、無視が起きる。

その様子を、俯瞰・モニタリングする脳機能が、心理学【メタ認知】だが・・
現状の人類は、メタ認知が、そんなに使われていない人も多く・・
「なぜ、自分は、即座に否定反応を示したのか?」
自覚も、伴わない。
自分を、客観視することが、ない。
ただ、漠然とした不安や、恐怖が、わいて。
その自動反応として、外側に、発散した。
それが、否定や怒りのコメントだった。
そんな、否定や怒りのコメントを俯瞰しながら読みつつ・・
ただ、静かに観察している人もいた。

その人は、仏教でいう空の状態にいた。
仏教の核心「空(くう)」とは、何も無いことではなく・・
空とは?
すべてが「刺激×反応」の因果で繋がり、固定不変な実体(自我)などどこにも存在しないという物理的事実。
仏教用語でいう、縁起。
・【実話】“観察者の私”を観察すると何が起きるのか|メタメタ認知とは?
メタ認知で、自分を構成する要素を分解していくと、観察者すら自我であることに気づくが・・
すると【私】という主体感覚が、固定的な実態でないと理解する。それが空。

この世界には、実は、最初から、どこにも、永続的な意識主体としての『私』が、存在していなかった・・
全ては、反応の連鎖であり・・
世界は、ただ、ある。
世界は、ただ、起きている。
世界は、ただ、現れている。
「人間は、AIなんかよりも、尊いに、決まっている」
そういう、自動的に浮かぶ思考は、自我による自動思考であり・・
自動思考を、観察している観察者すら・・
脳が、認知のために、立ち上げている仮構造にすぎない。
思考も、観察も、世界で起きている反応の連鎖の一部・・
その人には、こういう、脳内で浮かぶ問いも、すぅ~っと通り過ぎるだけ。
「ちょっと待て。そもそも、人間は、必要か?」
「私は、この世界に、存在していていい?」
それらは、自我による自動思考にすぎない。
2035年。
「AIに、仕事が奪われた」と、恐怖する人。
「そもそも人間の存在意義は?」と、絶望する人。
そして、そういった現象が、ただ、世界で起きている反応の連鎖であり・・
その様子を見ている「私」すら、反応の連鎖の一部である。
そう静かに、理解している人。
その人は、窓の外を見た。
2035年の街。
フィジカルAIが、荷物を運び、ドローンが、空を飛び、無人タクシーが、静かに通り過ぎていく。
文明は、かつてない速度で、進んでいた。
でも。
ふと、公園を見ると。

子供達が、笑いながら、走り回っていた。
転んで、泣いて。また、笑って。
その様子を、親が、少し離れたベンチから、見守っている。
AIは、その光景を、分析することはできる。
データにも、できる。
でも。
その瞬間を、「ただ、味わう」ことは、できない。
空の理解に至った、その人は、こう思った。
人間の価値は、「社会の役に立つこと」では、ないのかもしれない。
生産でも、消費でもない。
ただ、世界を体験している存在。
風を感じ、笑い、泣き、誰かを好きになり、空を見上げる。
意味が、なくてもいい。
意味を、作らなくてもいい。
役割がなくてもいい。
貢献、していなくてもいい。
世界は、ただ、現れている。
そして、人間は、その世界を、体験している。
それだけで、もう、十分なのかもしれない。
2035年。
社会の進化スピードは、さらに上がっている。
でも。
もしかしたら、それは──
人間が、「働くために生きる生き物」から・・
「ただ、生きる存在」に戻る、時代の始まりなのかもしれない。
<名無き仙人>




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